屋上緑化の機能性と省エネ効果
2024/10/15
こんにちは。(株)AEdesign建築設計事務所スタッフです。
今回は、近年の都市開発において注目されている、『屋上緑化』について紹介していきます。
目次
屋上緑化とは
屋上緑化とは、文字通り屋上に木や菜園、花等の植物を設置することで、屋上の緑化を図ることです。大きなデパートやビル等に設置されることが多いですが、一般住宅にも採用されることもあります。デザイン性だけでなく、機能性も兼ね備えていること等、多くのメリットも持ちますが、やはり施工や費用、維持面でデメリットもあります。
屋上緑化におけるメリット
国土交通省でも推進されている屋上緑化ですが、具体的に何が建物や周辺環境、生物にメリットをもたらすのでしょうか。例えば、屋上に植えられた植物は、夏季における直射日光を遮ることで、建物内の温度上昇を抑制し、逆に冬季には建物の熱を外に出さないようば働きを行うために、エネルギー消費の削減と経費の節約が実現します。また、緑化によって蒸発冷却が促進され、周囲の温度も低下します。さらに、屋上を利用した緑化は、都市のヒートアイランド現象を軽減する重要な役割を果たします。植物がCO2を吸収し、空気を浄化することで、より健康的な都市環境を提供するのです。また、緑が少なくなり、野生の生き物が都市から姿を消していっている中、屋上緑化は生き物たちの住処や休憩場所としても役立ちます。
非常時での屋上緑化
常時メリットをもたらしてくれそうな屋上緑化ですが、非常時にも大きなメリットをもたらします。例えば最近よく耳にするゲリラ豪雨。これには、雨水流出の緩和や浄化作用をもたらし、火災の際には、炎上の速度を遅らせることができます。もし屋上で菜園を営んでいれば、災害時の食料の確保を多少なりともすることが可能です。
人々に癒しを与えるデザインとしての緑
また、緑はストレスの軽減やリフレッシュ効果をもたらすことが出来ます。作業効率のアップだけでなく、疲労回復の効果の為、老人ホームや病院の他、テナントビル等、幅広い場所でこの効果を生かすことができます。屋上緑化は住民や従業員のためのリフレッシュ空間としても機能します。緑が増えることで、ストレス軽減や生産性向上にも寄与します。デザイン面でも、人工物では実現できない自然な美しさを提供し、建物全体の価値を高めます。このように、屋上緑化は都市に暮らす人々に新たな居場所を提供し、持続可能な社会の実現に向けた有効な手段と言えるでしょう。
屋上緑化のデメリット
屋上緑化は、メリットだけではありません。植栽分の費用やそれらの重量に耐える建築物の設計、施工による初期費用の増加、また美しく保つためにランニングコストもかかります。排水をないがしろにした設計にすると、オーバーフロー(排水の許容量を超えてしまう)してしまったりなど、何をどの程度行うか等よく考えながら建築していく必要があります。
まとめ
屋上緑化は、環境問題に対する効果的な解決策です。ヒートアイランド現象の抑制や、省エネ効果、 さらに、屋上緑化は 居住空間や作業場としても機能し、ストレスの軽減やリフレッシュ効果があり、住民や従業員にとって快適な環境を提供します。このように、屋上緑化はデザイン性と機能性を兼ね備えた、未来の都市づくりに欠かせない要素と言えるでしょう。私たちの生活環境を改善し、より快適な都市を実現するために、屋上緑化の普及に目を向けることが必要です。