ヌック住宅設計の機能的空間活用
2024/10/22
こんにちは。(株)AEdesign建築設計事務所スタッフです。
今回はアフターコロナによりひそかに注目を集めている「ヌック」と呼ばれる間取りデザインについて紹介していきます。
目次
ヌックとは
現在、2~3畳程度のこじんまりとした、居心地のよい空間のことを「ヌック」と呼ぶようになりました。コロナ渦以降の在宅時間のみなおしで、室内でもリフレッシュできることや、趣味・仕事に打ち込めることにも焦点をあてたデザインの一つとして、ヌックは注目を浴びました。ヌックはデザイン性だけでなく機能性、便利性も兼ね備えた空間設計の一つです。今回その魅力について、少しばかりですがお伝えいたします。
デッドスペースの有効活用として
デザインだけでなく機能性があるのがヌックです。ヌックは広いスペースを必要としないためにデットスペースの有効活用として使うことができます。階段下や廊下のデッドスペースを、ただただ収納として使用するのではなく、1つの部屋、空間として使用してみるのも一つの手段だといえます。隣接する空間となだらかにつなげたり、段差をつけて小上がりにしてみたり、隠し部屋のようにしたり、流行で言うなら広い窓のよこに添わせ、窓際ベンチを設置したりするなど、お客様の好みや使用用途にあわせたデザインをすることが可能です。無駄のない動線や、必要な収納をどれだけ増やせるかなど、建物を建てたその後の暮らしを考えると大事な要素になってきます。
自由度の高い空間
ヌックは団欒の共有スペースや個人のプライベート空間、それぞれのライフスタイルに合わせた活用をすることが可能です。リビングに隣接させると、家族の気配を感じつつも、個人で読書や音楽鑑賞、昼寝などを楽しむことができます。秘密基地のような空間は童心を擽るものもあり、キッズスペースとして使用することで保護者は子供が遊ぶのを見守りながら安心して家事をすることができます。また子供の成長段階に合わせ、キッズスペースから、プレイルームやスタディルームに変更するなどの、将来的な使用変更の幅、自由度が高いところも魅力の一つです。
設計の見極めが大切であるという点
上記に上げた点はたしかに魅力的な提案だと思う方も多いと思いますが、もちろんそれを不快に思う方もいらっしゃると思います。「他の人の気配や音を感じず、一人で集中したい。」そのような方の場合、団らんのスペースであるリビングなどから離したり、天井や床、壁を工夫したりする必要があったり、そもそもヌックという空間スペース自体がお客様に合わなかったりするのなら、ヌックという空間スペースをつくるというよりかは、完璧に別部屋を設計する必要があったりします。お客様の意見を聞き、寄り添い、デザイン、設計、施工、お客様、様々目線から見て折り合いをつけつつ設計することが大事です。